ロボカップジュニアは自律型ロボットで競技が行われますが,多くの選手は市販のロボットキットやマイコンボードをベースにロボットを製作しています. ここではロボカップジュニアでよく使われるロボットキットやマイコンボードを紹介します.
TJ3Bはロボカップジュニアで最も多く見かけるロボットキットです.
日本のダイセン電子工業のロボットキットで,ロボカップジュニアで使いやすい各種オプションパーツも販売されており,改造・拡張が簡単です。
プログラム開発環境についても,C-Styleという専用ソフトウェアが用意されており,C言語のようなプログラミング言語の知識が無くても比較的簡単にプログラミングが始められます。
現在はTJ3Bが販売されていますが.旧バージョンのTJ3もときどき見かけます.
まずはお手軽に始めたいという方におすすめです.
項目 | 内容 |
---|---|
メーカ | ダイセン電子工業 |
品名/型名 | TJ3B |
電源 | 単3乾電池×3(回路の動作電圧は5V) |
CPU | PIC マイクロチップテクノロジーPIC18F26K22 |
センサ | ラインセンサ×1,ボールセンサ×1,タッチセンサ×3 |
モータドライバ | FET SP3055LDなどで構成 2ch |
モータ | ギヤモータTGP01D-130-48×2 |
プログラミング環境 | C-Style(一応,C言語にも対応) |
価格 | 8,380円(税別) |
販売店 | ダイセン電子工業,Vstoneロボットショップ,ツクモロボット王国など |
ダイセン電子工業の新しいロボットキットです.
電子工作マガジン2014年秋号で「TJシリーズがα-Xplorerとしてモデルチェンジ」として紹介されていましたが,今のところまだまだTJ3Bが主流のようです.
プログラム開発環境はTJ3Bと同じくC-Styleです.
TJ3/TJ3BはマイコンがPICでしたが,α-XplorerではARM Cortex-M3が採用され処理速度が向上しました.電源電圧は3.3Vになりましたが, ダイセン電子工業製のTJ3/TJ3B用のオプションパーツはそのまま使えるそうです.
TJ3/TJ3Bでは処理速度が不足してしまうような方に合っているかもしれません.
項目 | 内容 |
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メーカ | ダイセン電子工業 |
品名/型名 | α-Xplorer(ファルファ・エクスプローラ |
電源 | 単3乾電池×3(回路の動作電圧は3.3V) |
CPU | 32bit ARM Cortex-M3 STマイクロエレクトロニクスSTM32F103C8T6 |
センサ | ラインセンサ/壁センサ兼用×2 |
モータドライバ | DRV8835,2ch |
モータ | ギヤモータTGP01D-130-48×2 |
プログラミング環境 | C-Style(一応,C言語にも対応) |
価格 | 8,000円(税別) |
販売店 | ダイセン電子工業,Vstoneロボットショップ,ツクモロボット王国など |
ヴィストン(Vstone)のロボットキットで,ロボカップジュニアでも良く見かけます.
CPUがH8のビュートローバーH8と,CPUがARMのビュートローバーARMの2種類がありますが,これから使うのであれば新しいARMの方が良いかと思います.
プログラム開発環境は,簡易プログラミング環境のビュートビルダー2と,C言語を使うLPCXpressoの2種類です.
TJ3/TJ3Bと比べると少ないですが,オプションパーツも販売されておりセンサの拡張などが可能です.
写真は,オプションのI/O拡張ボード,エンコーダ拡張セット,8連赤外線センサボードを取り付けた状態です.
項目 | 内容 |
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メーカ | ヴィストン |
品名/型名 | ビュートローバーARM |
電源 | 単3乾電池×2(回路の動作電圧は3.3V) |
CPU | 32bit ARM Cortex-M3 NXPセミコンダクターズLPC1343 |
センサ | ラインセンサ/壁センサ兼用×2 |
モータドライバ | FETなどで構成 2ch |
モータ | FA130型モータ+タミヤダブルギヤボックス |
プログラミング環境 | ビュートビルダー2(簡易),LPCXpresso(C言語) |
価格 | 6,000円(税別) |
販売店 | Vstoneロボットショップ,ツクモロボット王国,秋月電子通商など |
電子工作をする人たちの間で広く普及しているオープンソースのマイコンボードです.
Arduinoにはいろいろなものがありますが,もっともよく使われているボードがArduino UNOです.ロボカップジュニアではI/O点数が多いArduno
MEGA 2560もよく使われているようです.
ArduinoはShield(シールド)と呼ばれる拡張ボードを接続することで拡張できるようになっています.Arduino本体,
Shieldともにオープンソースハードウェアなので互換品もたくさん存在しています.インターネット上の情報も豊富ですので,
少し知識があればマイコンボード自体を自作することも可能です.
Ardunoはロボットキットではなくマイコンボードなので車体やセンサを別途準備する必要がありますが,ある程度技術が身についてくると, ロボットキットよりもArdunoのようなマイコンボードの方が使いやすいのではないかと思います.
項目 | 内容 | ||
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UNO | Leonardo | MEGA 2560 | |
メーカ | Arduino Srl | Arduino Srl | <- |
品名/型名 | Arduino UNO | Arduino Leonardo | Arduino MEGA 2560 |
電源 | 6〜9V程度,またはUSB(回路の動作電圧は5V) | <- | <- |
CPU | 8bit AVR Atmel ATmega328P |
8bit AVR Atmel ATmega32U4 |
8bit AVR Atmel ATmega256-16AU |
センサ | なし | <- | <- |
モータドライバ | なし | <- | <- |
モータ | なし | <- | <- |
プログラミング環境 | Arduino IDE(C言語風) | <- | <- |
価格 | 3,500円程度 | 3,000円程度 | 6,000円程度 |
販売店 | スイッチサイエンス,秋月電子など多数 | <- | <- |